来年度医療費は・・・
こんにちは。秋が深まってきたこの季節ですが、台風が来るばかりであまり情緒を味わう余裕もありませんが、8月末ではありますが平成30年度の概算予算請求が出ましたね。平成30年度の医療改定は6年に一度の医療と介護の同時改定ということでもあり注目度もいつもの改定よりも高いと言えるでしょう。来年度医療費の予算は金額にしては平成27年度を3.2%超過する31兆4298億円との事。金額が大き過ぎて実感が湧きません。医療の進歩は当然技術進歩に正比例していくわけでオプジーボやハーボニーなどの超高額薬と呼ばれる薬が国民皆保険の下では誰にでも行き渡る現行制度では医療費は減少する要素が見当たりません。
ちなみに平成28年度の社会保障費は国の一般歳出の55%半分以上を占めています 。西暦2000年度が約35%であったことを考えるといかに日本の少子高齢化が進んでいるかがわかると思います。現時点では 診療報酬の改定率がプラスになるのかマイナスになるのかはわかりませんが、税金を多く納めるボリュームゾーンの働き手が今後どんどん少なくなることを考えれば厳しい改定なることは間違いないような気がします(-_-;)
改定にある背景に思いを馳せると・・・
病院を運営する側の一員としての目線から見た今の日本の医療の問題点をざっと概観するとまず、高度な医療機能の大都市偏在。それと併存した医師・看護師・薬剤師など専門職の年上の偏在拡大。特に人の流れは今までもそうですがこれからも大都市への偏在度は高くなって行くでしょう。しかしだからといって医師不足解消のために医師を増やそうと言っても将来的に人口増加する要因がないと言っていい日本ではいたずらに医学部を増やして医者を増やしてもあと何十年か経ったら医者あまりになる可能性すらあります。と言うか今現在でも地域によっては医療需要はすでにピークアウトしていてむしろこれから必要なのは介護であったりする地域だってあります。(三大都市圏以外はもうすでにそうなっているのではないでしょうか。)
限界集落のような地域に診療所一人看護師1人存在したらそれは安心でしょうが、現実問題としては難しいでしょう。 今後はAI・ ディープラーニングが加速的に進化していくでしょうからある程度人口がある都市に各地域を担当する診療所もしくは医師が存在し ipad や iphone その他のデジタルデバイスなどによって逐一状況を管理し何か起こった際にはすぐに駆けつける。地域に一人は訪問看護師やケアマネージャーなど介護系の職員がいる、というような流れになるのではないでしょうか。国としては故に地域によって高齢化の速度の違い、医療需要の速度の違いを「地域医療構想」として明確化したいということなのだと思います 。
まあ、改定率も出ていない段階であーだこーだ言っても無意味ですが、医療事務職としてはこのような背景を頭に入れてどのような改定になるかを考えています。
個人的には・・・
個人的には話はずれますが、社会インフラとしての次世代の通信規格である5G通信等の技術革新がどのように影響してくるかを注視しています。2020年の東京五輪に合わせて実用化がメディアにも流れていますが、5G規格にての以前の世代とは異なるデータ容量でのやり取りが可能になれば遠隔医療・医師負担軽減なども飛躍的な改善がみられるかもしれませんし、 既に報道されているように現場では利用が始まっている介護ロボットなどの利用も大規模にデータが収集できれば、自律的な介護ができるロボットの誕生など本当に革命的な進歩があるかもしれません。
ただ、自分はこのような革新は結局「人がいらなくなる」方向にしか進まないよなあ・・と思ってしまいます。今は介護事業所の人材不足・医師不足などと言われていますが、30年40年後も需給がひっ迫しているでしょうか(・・?そのころには医師や薬剤師などの高級職として世間に認識されている職種が斜陽職になっている可能性も十分でしょうね。
まあ、そんな時代になれば医療事務という仕事もなくなっているかもしれません・・・