国民皆保険制度とは(・・?
当たり前のごとく日本が誇るフリーアクセスの安心・安全の医療制度です。が、このところ少子高齢化と貧富の差の拡大で綻びが大きくなってきているように見えます。。さて、表題は何みんな知っていることを言っているんだろう(・・?と思われた方もいるかもしれません。日本人にとっては皆保険制度とは生まれた時からなんとはなしにあるあって当たり前の制度だと思います。しかし現在の皆国民皆保険制度の歴史はおおよそ100年程です。
日本の医療保険は1922年(大正11年)に端を発します。ドイツのブルーワーカーを対象にした医療保険を参考に作られた制度が(ほぼ)現在の制度になったのは1961年の事。この年にそれまでの国民健康保険法が改正され実質的に国民皆保険制度となりました。今僕らが持っている保険証が当たり前のものとなったのはほんの50年程前の事なんですね。
現在、日本のサラリーマンであれば協会けんぽか組合健保でしょうから国民健康保険はあまり身近な存在ではないかもしれません。しかし何らかの事情で会社を退職した場合は国民健康保険に加入しなければなりません。「自分は病気にならないから、いりません!」とか「まあ今すぐ加入しなくても必要になったらあとで加入すればいいや」と思っても保険料は納付しなければいけない決まりになっています。日本の皆保険制度は加入義務がある制度であり、会社を退職してた無職の人でも加入しなければいけない制度です。国民健康保険法に基づく制度であり逸脱すると10万円以下の罰金を命じられる可能性もあります。
サラリーマンの健康保険料は会社との折半ですからもしあなたの給与明細にて健康保険料が2万円だったとしたら会社も2万円払っています。あなたの健康保険料は「4万円」なのです。結構、いやかなり高額ですよね。退職してしまうと国保の保険料は全額自分で支払うしかありませんので
と、医療事務関連の話と若干逸脱した感がありますが、その国民健康保険の制度が平成30年4月から変わります。法律は平成27年5月27日に成立していますが。
国民健康保険の制度変更
その国民健康保険の保険者が制度改正によって平成30年度から運営主体が自治体から都道府県に移行するようです。具体的に私たちの生活に直結する変化は、今までは市町村ごとに定められていた国民健康保険料の歪さがある程度ならされそうです。この点は良い点なのかな、とも思います。今までは住む場所が道一つ挟んだだけで保険料が倍になるということも決して珍しくはありませんでしたから。
そして国としての国保広域化の理由は以下の通り。
- 医療保険制度の財政基盤の安定化
- 負担の公平化
- 医療費適正化の推進
しかし、批判もありそうです。この改革と並行して国は大企業の健康保険組合が後期高齢者への負担金として拠出させている負担割合を引き上げる改革を進めています。一般的には「総報酬割」と呼ばれているものです。この負担割合が平成29年から段階的に引き上げられているのです。
つまり、端的に言うと金があるところから無いところへの所得移転というわけです。結局の所、相対的に低所得者が多い国保はどうあっても少子高齢化が進む日本では赤字にしかなり得ません。これについては賛否両論でしょう。事実、これを検討していた厚生労働省の社会保障審議会では健保連や企業側は取りやすいところから取るというだけの話だ、と批判があったとの事。
まあ当然の話ですが、国民全体の話であれば「現状の国民皆保険制度を死守する」という行為が再前提にある話であれば仕方の無い話かな、とも思いますし負担が増える企業側からしたらおいおい待ってくれよ少しは出費を減らす努力はしたのかい?という話になるのもわかります。
個人的には保険証の発行とか払い戻しとか実務がどう変化するのかが気になります。ですので、正直ドタバタしてほしくはないなあというのが正直なところです笑 あまりニュースとかにもなっていないのはやはり日本はサラリーマンが多く健保組合もしくは協会けんぽに加入している人が圧倒的大多数だからですかね・・・