紹介状が無い患者の負担金増額
2017年11月16日の日経新聞朝刊の一面に 紹介状を持たずに大病院を受診した場合の追加料金である(選定療養費と言います) 患者負担金の徴収対象病院の範囲を拡大するという記事が載っていました。現在は500床以上の入院病床がある大病院に限っていますが、対象病床を大幅に拡大する見通しとのことです。(具体的に何床かは現在検討中との事) 一般的に日本の人々は大病院に行きたがります。自分の病院に勤務して思いますが、一般的な患者さんはほとんどの方が大病院志向が多かれ少なかれあると思われます。
まあ、これは国民皆保険がある為にフリーアクセスが可能だからというのが主な理由の一つだと思われます。 平等意識が強い日本ではフリーアクセスを禁じることは事実上できない以上 、平成30年度の診療報酬改定の大枠も定まらないうちにこの段階で日経新聞に掲載されるということは厚生労働省はよほど現在の大病院志向に歯止めをかけたいものと思われます。しかし自分も一患者としては病気にかかった時には気持ちとしては大病院に行きたくなるのが実感です。 施設も綺麗で最新医療機器も導入などというような踊り文句がサイトに踊っていたらやっぱり行きたくなるじゃないですか笑
これについては批判もありますが仕方のない部分もあります。医療職でない限りはどこの病院のどこの先生が自分の疾患についてのスペシャリストかどうかわからないのですから。とりあえず大きい病院に行けば、と考えるのは無理もないことだと思います。厚生労働省としては大した病気でもないのにこういう考え方をするような患者がいきなり大病院にかかると医者や看護師が外来診療に手一杯になり入院機能が圧迫され本来の機能が果たされないためやめてほしいと言う意図でしょう。
じゃあ最初から小さい病院に行ったほうがいいの(・・?
あくまでも個人的な感想ですが、 国が言っているからといってくたびれた個人病院やクリニックに絶対に最初にかかるべきだとは僕は思いません。 本当にあくまでも個人的な感想ですが(笑)、実際僕があって話したりしたことのあるドクターでこの先生にかかりたいなと思うドクターというのはだいたいが「大学医局」というものに所属している医師が多かったです。この大学医局という制度は 簡単に言うと大学の教授を頂点とする医師の人事組織です(本当にざっくりと言うと)一般の方には聞き慣れない言葉だとは思いますが、10年ほど前に唐沢寿明さんが主演して高視聴率を取得したドラマ「白い巨塔」などでも取り上げられました。
この大学医局というのは所属している医師を大学病院以外の関連病院に派遣する機能も実質的に有しており所属する医局の教授の鶴の一声で見知らぬ田舎の病院に勤務させるということもあるのです。 以前は医師の人権侵害だ等と批判があったり、近年では大学医局の影響力低下の為に僻地への医師派遣がままならなくなっているといったトピックスになったりもしていますが、結局今のところでも「病院に医師を派遣する」「教授には医局員に対して実質的な人事権が存在する」 という位置づけです。
なんで、上記の話と関係のなさそうな話をしたのかと言うと結局まともに働く可能性が高い医者というのはこの医局に所属している医師の方なのです。医局制度というのは良し悪しありますが 、病院にとってはありがたくもある存在です。結局この医局制度はドクターをサラリーマンにしているのです。そしてサラリーマンがダメというわけではなく我々も間違いなくそうですが、怖い上司が部下がきちんと仕事をしているか目を光らせているから後輩は背筋を伸ばして仕事をしている面はあるわけで、このタガ(医局)が外れた医者は人格面で難があったり仕事をしなかったりという医師が医局に所属していない医師と比較して多く存在したのも私が見てきた病院の現実でした。
なので誤解していただきたくはないのですが(個人病院が悪いと言ってるわけではなく)、私自身は大病院の方がまともな医者がいる可能性は高そうとは思っています。
結論:結局蛇の道は蛇
ですので病院の中にいる(事務職だが)人間としては「どの病院が良いかははっきり言ってわからない」。身近に医療職、特に医者がいた場合はその人に聞くのが一番だと思います。その人に教えを請いましょう。
身も蓋もない結論になってしまいましたが事実です笑 結局どの業界も良いものを選びたい時には専門職に聞くと言う同じような結論に至るんですよね・・